今、ここにある赤ん坊の爪ほどの小さな石
このきらめきは一体何であるのか、見れば見るほど分からなくなり、時間はどんどん遠くなります
確かに内在しているが意識化されていないもの
それに目を向け、細く紡ぎ出す作業は慎重にする必要がある
ミツバチが羽音を立てる寸前の空気の揺れ、飽和状態になった水溶液から結晶が結ばれる瞬間、
言葉としてすくい上げるにはあまりに微かな現象、しかし、その意味はふとした拍子に計り知れない奥行きをもって立ち現れます
そのようなものにこそ、何か重要なものが宿っているのではないかと目を凝らします
絵を描くことでそこに微かにでも触れられるような、またその距離に目のくらむような体感を大切にしたいと思っています